2012.07.24 火曜日 14:52

St.Gallen Symposium 2012参加報告

このページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。私は日本スイス交流使節団10期生の坂本泰一です。この度、関西日本スイス協会の皆様にご協力・ご援助いただきまして、スイスで行われました、St.Gallen Symposiumという世界的に有名なシンポジウムに参加させていただきました。私が現地で感じたこと、経験したことを簡単に紹介させていただきます。

 

■What is St.Gallen Symposium

この度参加させていただきましたSt.Gallen Symposiumは、1970年に端を発し、今年で42回を迎える世界的に権威のあるInternational Management Symposiumです。年一回ゴールデンウィークの時期に、スイスのチューリッヒ近郊、St.Gallen Universityで開催されています。本年度の参加者は1,008名で学生・若手社会人約200名と世界中の各組織におけるトップ層約800人で構成されています。またこれだけの規模のンポジウムは、驚くべきことにSt. Gallen Universityの学生によって運営されています。彼ら学生の努力を世界中の各組織におけるトップ層が支援するという形で、ここまでの規模に発展してきました。

 

■Facing Risk

毎年シンポジウムにはテーマが設定されており、今年のテーマは”Facing Risk”でした。やはり日本の地震、原子力発電所の問題や、欧州EURO問題などホットな話題が主要な議題として挙がっていました。加えて、様々な場所でそれぞれの立場の人間が抱えているリスクについて議論が行われており、多方面からの視点、意見は非常に興味深いものでした。

 

■現在の社会をリードする世界のトップ層 -Leaders of Today-

St.Gallen symposiumの特徴として非常に興味深い点が、世界中の各組織におけるトップ層(Leaders of Today)に次世代を担う学生・若手社会人(Leaders of Tomorrow)が挑むという構図になっている点です。今年のゲストコメンテーターは、ギリシャ元首相Giorgos Papandreou氏、欧州中央銀行の元総裁Jean-Claude Trichet氏、PWCのエグゼクティブ諸氏、日本からもIAEAの天野之弥氏、Credit Suisseの鈴木悠二氏など、まさにLeaders of Todayといえる層々たる方々が招待されていました。彼らLeaders of Todayがスピーチを行い、その後Leaders of Tomorrowが彼らと議論を交わすことができるという構図がこのシンポジウム最大の魅力です。
こういった普段絶対に会うことができない世界のトップの方々と同じテーブルに着き、ゆっくり話をしたり、議論したりすることができる機会はまず得られることはありません。私個人にとってみても、こういったディスカッションに参加し、彼らの深い思慮や経験、悩みの一端を垣間見えることができたことは大きな財産となりました。

 

■20年後世界をリードする熱意あふれる若者 -Leaders of Tomorrow-

学生・若手社会人に目を移すと、先進国ばかりでなく、中東・アフリカ・東欧・中央アジア・南米など、それぞれの国と地域を背負ってトップエリートの学生たちが参加しています。彼らの発する質問にも熱が込められており、「EURO危機を乗り越えるためには? EUROは通貨を共有しているが、金融政策を実施する意思決定機関がばらばらであり、これが大きな問題を抱えている。この上でEUROが今後取るべき道は何なのか?」と、欧州出身者だけでなくあらゆる地域の若きLeaders of Tomorrow達が混ざり合って、元ギリシャ首相をはじめとするLeaders of Todayに質問をぶつけるなど、議論は常に白熱します。
こういった彼らの言葉の端々から、自分が今後の世界を背負う気概・熱意を感じ、強く心に響きました。また、こういった地域を異にする同年代同士でディスカッションできる機会は非常に刺激的なもので、忘れられない経験ができたと感じています。

 

■日本のLeaders of Tomorrow

ゆとり教育など若年層への不安が叫ばれる日本ではありますが、日本からの参加者も非常に熱意のあふれる若者が多く、大いに刺激を受けました。既に経営に携わっている方やトップ企業に勤め一線で活躍しておられる方、欧州名門大に進み「常に面白いことに挑みたい」と熱っぽく語る方など、ユニークな同年代の日本人と議論する機会を持てたことは、海外の方々と話をする際は感じなかった嬉しさや、喜びがあります。これらすべてが自分にとって刺激的な経験となったと強く感じています。

 

■このシンポジウムを通して -私にとってのリスクとは?―

今年のテーマであるリスクという言葉は広辞苑第六版においてはただ一言「危険」と記載されています。私にとってリスクというと新たな挑戦、事業に失敗した際、失うものというイメージが湧いてきます。行動を起こす際、得られるものよりも失敗して失うものへの恐怖心が大きくなってしまうこと、それがリスクを取るという決断を非常に難しくしていると考えています。
そのため、私はLeaders of Today達がこういった恐怖心とどのように付き合い、リスクを取って挑戦しているのかを聞いてみたいと思いこのシンポジウムに臨みました。非常に興味深いことに、この質問の回答にはある一定の傾向を持っているように感じました。その傾向を私なりにまとめさせていただくと、概ね以下のようなものであったように思います。
「リスクをとって行動を起こさなければならないと感じた時、問題とすべきことはリスクを取って行動するか否かを悩むことではなく、いかに目標を成し遂げるかということである。目標達成のために最善を尽くすことこそが重要である。その連続こそが被害(Risk)を最小限にする。」ということです。
日本の歴史を振り返ってきても、国を賭するようなリスクを負って挑戦を続けてきた偉大な先人たちの努力の結果、現在の先進国としての日本があります。今後ともリスクを負って挑戦することを強いられる我々日本人にとって、挑戦する気持ち、リスクを取れる勇気・気概を持ち続ける重要性を、Leaders of TodayやLeaders of Tomorrow と議論をする中で強く感じました。
私にも彼らLeaders of Today程ではないにせよ、大きなリスクを負うような決断に迫られることが今後幾度かあるのかもしれません。そういった事態に直面した際は、リスクを負うことを厭わない気概と心構えを常に持っていられるよう、彼らの言葉を常に心に置いておきたいと思います。
最後になりましたが、このような素晴らしい機会を提供して頂き、ご支援頂きました、関西日本スイス協会の友野宏会長、並びに多大なるご協力頂きました竹越徹様、畑守毅彦様をはじめとする皆様には深く御礼申し上げます。
是非このような素晴らしい機会を、後輩の皆様にも経験していただきたく、紹介文を書かせていただきました。今後、一人でも多くのLeaders of Tomorrowが関西日本スイス協会から誕生することを心から祈っております。

 

坂本 泰一

 

Leaders of Today

 

Giorgos Papandreou
Former Prime Minister of Greece

Jean-Claude Trichet
Former President of the European Central Bank

Yukiya Amano
General of IAEA

 

1St day

2nd day

2nd day’s night

3rd day Challenging the Leaders of Today

3rd day’s dinner 「他国からのLeaders of Tomorrowと」

Final day

Final day’s dinner

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